私は看板に書かれた言葉ではなく、厨房に誰が立っているかで店を選びます。どれほど立派な品書きが並んでいても、それを作る人間の腕が確かめられなければ、その看板は仕入れ先を隠すための目隠しにすぎません。株式会社DREAM PONY(ドリームポニー)のフランチャイズについて「詐欺」という検索候補が出る理由を調べていくと、看板の立派さと厨房の見えなさの距離が浮かび上がってきました。
詐欺か否かという二択で判断する前に、私が見るのは仕込みの中身です。120万円を超える加盟金を出す前に、教える側が誰なのか、扱う商材は規約の範囲内か、加盟者が増えたときに何が残るのかという3つの物差しで確かめます。この3本の物差しを使って、公式の説明と外部の声を順に測っていきます。確かめられた点と確かめられなかった点を分けて示し、最後にあなたが説明会で担当者に聞くべき質問を具体的に3つ提示します。太鼓判は押しません。物差しだけを渡します。
検索候補に「詐欺」が出る理由は、看板と厨房の距離にある
検索窓に「ドリームポニー」と入力すると、サジェストに「詐欺」「怪しい」が表示されます。この現象自体は、実際に詐欺かどうかとは別の話です。検索候補は、多くの人が不安を抱いて同じ言葉で検索した結果として表示されるものです。けれども、なぜ多くの人が不安を抱くのかという理由は、調べる価値があります。
私が見るのは、看板に書かれた内容と、実際に提供される仕込みの距離です。品書きには華やかな数字が並んでいても、その数字を作り出す厨房の中身が見えなければ、看板だけが独り歩きしているという判断になります。
公式が掲げる実績の品書き
業界メディア「フランチャイズの窓口」や「アントレ」には、ドリームポニーの自社フランチャイズである「BRAND物販PLUS」(旧BUYUP、旧BuyLink)の実績が掲載されています。加盟6ヶ月目で売上585万円・利益61万円、同じく6ヶ月目で売上687万円・利益69万円、9ヶ月目で月利101万円という数字です。2025年9月には愛知県の男性が売上948万円・月利172万円、2026年1月には東京都の男性が売上1,860万円・月利238万円という事例も紹介されています。
ただし、これらの数字には必ず「一例であり、新規開業時の予測を示すものではございません」という注記が付いています。法的に必要な注記ですが、この一文が意味するのは、本部はあなたがこの数字を出せることを保証していないということです。品書きに載っている料理が、あなたの皿に載るとは限らないという宣言でもあります。
もう一つ確認しておくべき点があります。ドリームポニーは2024年4月11日に設立された会社です。けれども、同年8月時点で「開業8ヶ月の加盟者」の実績を広告に掲載していました。設立前の前身事業の実績を含んでいると考えられますが、その説明は公式サイトには見当たりません。品書きの数字がいつ、誰の手で作られたものかが、明示されていないということです。
外部に出ている被害報告という食材
一方で、厨房の外から聞こえてくる声は、品書きとは違う内容を伝えています。Yahoo知恵袋には複数の加盟者または加盟検討者の投稿があります。「バイアップのバイマのフランチャイズ加盟しました。騙されたかもしれません。まず連絡も遅い。何も売れない。ものがなさすぎる。言われてた事とかけ離れすぎてる」という投稿がその一つです。
元執行役員を名乗る人物による告発投稿もあります。「フランチャイズの在り方や会社経営の部分(主に営業時のアプローチ)について疑義や不信感を抱き、退職いたしました。その後会社からは支払われるはずのインセンティブや給料も未払いとなっている状況です。営業時の表現や出している実績に現在も疑問を持っております」という内容です。この投稿の補足欄には、「基本的には無在庫物販のFCを展開しているが、BUYMA以外は無在庫出品が規約上認められていないためアカウント凍結やアカウント申請が通らないケースもあるようです」とも書かれています。
外部ブログには、さらに具体的な被害報告が掲載されています。2026年5月に加盟金160万円を払ってAmazon無在庫物販を始めた方の報告です。運営側から案内された「おすすめ出品商品URL」以外からの出品をしたところ、制限対象外商品の販売を理由にアカウントが停止されました。同社に相談したところ「復旧は困難」と回答され、家族名義での新アカウント作成を促されたといいます。妻名義で再開したところ、1つ目のアカウントとの関連性を理由に2つ目のアカウントも停止されました。この方がAmazonの規約を確認したところ、同社が指導していた「直送」の手法自体がAmazonのドロップシッピングポリシーに違反していたことが判明したという内容です。
看板に書かれた月利100万円超の数字と、厨房から聞こえてくる「何も売れない」「アカウントが停止された」という声の距離が、検索候補に「詐欺」という言葉を呼び込んでいます。
120万円を出す前に見るべき3つの物差し
私が仕入れ先を見極めるとき、必ず確認する項目が3つあります。一つ目は、教える側が誰なのか。その人間が実際に同じ商売で数字を出した経験があるのかという点です。二つ目は、扱う商材が規約の範囲内かどうか。プラットフォームの看板を正式に借りられる仕組みなのかという点です。三つ目は、加盟者が増えたときに、あなたの皿に何が残るのかという点です。
これらの物差しは、詐欺かどうかを判定するためのものではありません。看板に書かれた言葉が、厨房の中身に届いているかを確かめるためのものです。届いていなければ、あなたが120万円で買うのは看板だけだということになります。
ドリームポニーのフランチャイズには、BRAND物販PLUS(BUYMA)、ミギウデシステム、AutoQ(Qoo10)、Amazon無在庫物販といった複数の商材があります。さらに、同社は自社FC本部であると同時に約60ブランドのフランチャイズ総合代理店としても機能しています。あなたが接触する担当者が、どの立場で何を提案しているのかを、まず確認する必要があります。
看板を買うのか、厨房を買うのか。この判断を、3本の物差しを使って行います。
物差し1、教える側が誰なのか。実績は担当者本人のものか
私が最も重視するのは、サポートを担当する人間が誰かという点です。品書きに「サポート体制充実」と書かれていても、そのサポートを行うのが実際に同じ商売で数字を出した人間なのか、それとも営業担当者なのかで、受け取れる指導の中身は全く変わります。
公式サイトに載っている情報
代表者の一ノ瀬続輝氏は1997年生まれ、長野県出身です。2018年に不動産会社に入社して営業で新人賞を受賞、2021年に退職後、別のFC本部立ち上げに執行役員として参画し、店舗数を200店舗規模に拡大した経歴があります。2024年4月、27歳前後でドリームポニーを設立しました。
ビジネスチャンス誌のインタビューでは「フランチャイズ業界に仲介業がないことに着目した」「営業・契約・入金まで全部を丸投げできる外部営業部門として使ってもらっている」と語っています。つまり、同社のビジネスモデルの中核は、FC本部の代わりに営業を代行する代理店業です。自社FC本部運営と代理店業の両方を行っている点が、この会社の特徴です。
公式サイトには「専任SVによるサポート体制」「世界120拠点以上の仕入れネットワーク」という記載がありますが、そのSVが誰なのか、実際にBUYMAやAmazonで自ら販売した経験があるのかという情報は掲載されていません。
確認できなかった情報
私が確かめたかったのは、あなたをサポートする担当者本人の実績です。代表者の経歴は分かりましたが、代表者が直接あなたを指導するわけではありません。実際に加盟後に接することになるSVや担当者が、自分自身でBUYMAのショップを運営して月利100万円を出した経験があるのか、それとも営業職として他人の実績を説明する立場なのか。この点が公式サイトには書かれていませんでした。
代表者の経歴には「FC本部立ち上げに執行役員として参画」とありますが、物販の実務経験については記載がありません。フランチャイズの営業と店舗拡大の経験はあっても、BUYMA出品やAmazon出品の実務を自分の手で行った経験があるかどうかは、別の話です。
厨房に人がいるのか、それとも厨房の外から指示を出す人がいるのか。この違いは、トラブルが起きたときの対応力に直結します。外部ブログのAmazon被害報告では、アカウント停止時に同社が「Amazonに電話して解決方法を聞くしかない」と回答したとあります。実務経験がある人間であれば、アカウント停止の前兆や回避策を事前に指導できるはずです。けれども、営業担当者がマニュアルを説明する立場であれば、マニュアルに書かれていない事態には対応できません。
物差し2、扱う商材は規約の範囲内か。プラットフォームの看板を借りられるか
二つ目の物差しは、扱う商材が規約の範囲内かという点です。どれほど立派な仕入れルートがあっても、それを販売するプラットフォームの規約に違反していれば、アカウントは停止されます。看板を貸してもらえない商売は、そもそも成立しません。
BUYMAは適法だが、Amazon、Qoo10には穴がある
ドリームポニーが展開する商材のうち、BUYMA(BRAND物販PLUS)は無在庫出品が公式に認められています。BUYMAは海外在住の買付パートナーが受注後に仕入れて発送する仕組みを前提に設計されたプラットフォームです。この点では、規約の範囲内で運営できる仕組みです。
問題はBUYMA以外の商材です。元執行役員を名乗る人物の知恵袋投稿には、「BUYMA以外は無在庫出品が規約上認められていないためアカウント凍結やアカウント申請が通らないケースもあるようです」と明記されています。ドリームポニーが展開するAutoQ(Qoo10)とAmazon無在庫物販は、プラットフォーム側の規約では無在庫出品が認められていません。
Amazonのドロップシッピングポリシーには、「第三者が出品者に代わって購入者に直接出荷することは、出品者が記録上の出品者であることが購入者に明確でない限り認められない」とあります。仕入れ先から購入者へ直送する無在庫転売は、この規約に抵触します。
外部ブログに出ているAmazon被害報告の構造
外部ブログに掲載された被害報告は、この規約違反の構造を具体的に示しています。報告者は2026年5月に加盟金160万円を支払い、Amazon無在庫物販を始めました。運営側から「おすすめ出品商品URL」という名称で案内があり、報告者はこれを参考例と受け止めて他の商品も出品しました。ところが、制限対象外商品の販売を理由にアカウントが停止されました。
同社に相談したところ、初めて「おすすめURL以外からの出品は不可」というルールを知らされたといいます。さらに、同社が指導していた「直送」の手法自体が、Amazonのドロップシッピングポリシーに違反していることが、アカウント停止後に判明しました。報告者は「規約違反の手法を正常なノウハウとして販売し、高額な加盟金を徴収していた」として不当契約の解除と加盟金返還を求めたいと記載しています。
この構造が意味するのは、厨房で使っている調理法が、プラットフォーム側の衛生基準に違反しているということです。看板を貸してもらえない仕組みで商売を始めれば、いずれアカウントは停止されます。加盟金を払った後に、土台が崩れる構造です。
物差し3、加盟者が増えたとき、あなたの皿に何が残るか
三つ目の物差しは、加盟者が増えたときに何が起きるかという点です。フランチャイズという仕組みには、構造的な自己矛盾があります。同じ仕入れルートから同じ商品を、同じプラットフォームに出品する人間が増えれば、加盟者同士で価格競争が起きます。
フランチャイズという仕組みが持つ自己矛盾
Yahoo知恵袋のある回答者は、次のように指摘しています。「そもそもECのフランチャイズって加盟店が増えれば増えるほど競合が増えて、個々の店舗が儲からなくなるので事業として破綻してませんか?飲食など実店舗のFCは場所、人の管理が本部でやるより他人に任せたほうが効率が良いからFCなのであって、オンラインでしかも自動でできるならFCじゃなく1社独占でやった方が儲かるのでは」。
この指摘は、物販フランチャイズの構造的な弱点を突いています。実店舗であれば、立地という差別化要素があります。けれども、オンラインの物販には立地がありません。全員が同じ仕入れルートを使い、同じプラットフォームで販売すれば、差別化の余地は価格しか残りません。
公式サイトには「世界120拠点以上の仕入れネットワーク」という記載がありますが、このネットワークは加盟者全員が共有するものです。あなただけが使える独自のルートではありません。加盟者が100人、200人と増えていけば、同じ商品を出品する人間が増え、価格競争が激化します。本部にとっては加盟者が増えるほど加盟金収入が増えますが、加盟者にとっては競合が増えるほど利益率が下がります。
売上と手残りの距離
もう一つ確認しておくべきは、売上と手残りの距離です。公式サイトに掲載された「月売上687万円、月利69万円」という数字を見ると、売上の約10%が利益として残る計算です。けれども、この利益から差し引かれる費用があります。
読者から寄せられた情報によると、BUYMAの販売手数料は約8%、提携買付チームへの手数料が1商品あたり1〜2万円程度かかります。さらに、7ヶ月目以降は月次ロイヤリティ5万円が発生します(公式は6ヶ月間ロイヤリティ無料キャンペーンを実施)。為替変動による仕入れ原価の変動もあります。
売上687万円のうち、BUYMAの手数料が約55万円(8%)、月次ロイヤリティが5万円、買付手数料が商品点数によって変動します。仮に月30商品を販売した場合、買付手数料だけで30〜60万円かかります。これらを差し引いた後に残るのが、あなたの手元に入る利益です。公式が示す「月利69万円」という数字が、これらの費用を差し引いた後の数字なのか、それとも差し引く前の数字なのか。この点が公式サイトには明記されていません。
元執行役員を名乗る告発、擁護記事、知恵袋の声を並べて見る
看板と厨房の距離を測るためには、公式の声だけでなく、外部の声も並べて見る必要があります。Yahoo知恵袋には加盟者、加盟検討者、元執行役員を名乗る人物、それぞれの立場からの投稿があります。一方で、同社を擁護する記事も存在します。
Yahoo知恵袋に集まっている3つの声
知恵袋に投稿されている声は、大きく3つに分かれます。一つ目は加盟検討者の不安です。「検索すると『ドリームポニー 詐欺』みたいなのも出てくるのでちょっと怖くなってます」「こういうのって何を確認してから契約すればいいんでしょうか」という内容です。看板は立派だが、中身が見えないことへの不安が読み取れます。
二つ目は加盟者の後悔です。「バイアップのバイマのフランチャイズ加盟しました。騙されたかもしれません。まず連絡も遅い。何も売れない」「詐欺なのでしょうか?無在庫転売のようなグレーなことをやってるみたいですが本当に大丈夫なのでしょうか」という投稿があります。加盟前に聞いていた説明と、加盟後の現実の距離を訴える内容です。
三つ目は元執行役員を名乗る人物の告発です。「フランチャイズの在り方や会社経営の部分(主に営業時のアプローチ)について疑義や不信感を抱き、退職いたしました」「営業時の表現や出している実績に現在も疑問を持っております」という投稿です。この投稿には「基本的には無在庫物販のFCを展開しているが、BUYMA以外は無在庫出品が規約上認められていないためアカウント凍結やアカウント申請が通らないケースもある」という補足があります。厨房の内側にいた人間の証言として、重みがあります。
擁護記事が書かないこと
一方で、同社を擁護する記事も存在します。ec-business-lab.comは「ブランド物販plusは詐欺とは無縁の地に足の着いたビジネスモデル」と結論づけています。ecbussiness-start.jpは「正しく捉えて継続しているユーザーはほぼ例外なく結果を出している」と記載しています。
けれども、これらの擁護記事が書いていない点があります。Amazon無在庫物販やAutoQが規約違反の構造を含んでいる点、元執行役員を名乗る人物の告発が存在する点、外部ブログにアカウント停止の被害報告がある点です。擁護記事は公式サイトと同じ実績数字を引用し、外部の懸念には触れていません。
私が見るのは、書かれている内容ではなく、書かれていない内容です。看板の立派さを繰り返し説明する記事が、厨房の中身に触れないのであれば、その記事は看板の宣伝であって、仕込みの検証ではありません。
説明会で担当者に聞くべき3つの質問
物差しを渡しておきます。説明会に行くなら、担当者に次の3つを聞いてください。
一つ目、あなた自身がBUYMAまたはAmazonで販売した経験はあるか。あるなら、いつからいつまで運営して、月の売上と利益はいくらだったか。この質問に具体的な数字と期間で答えられるなら、厨房に人がいるということです。答えが「私は営業担当なので」「別のSVが」と濁るなら、看板を説明する人がいるだけで、厨房には人がいないということになります。
二つ目、あなたが勧める商材は、プラットフォーム側の規約で無在庫出品が認められているか。認められていない場合、アカウント停止のリスクをどう回避するのか。この質問に対して、「BUYMAは認められています」という回答なら問題ありません。けれども、AmazonやQoo10を勧められた場合、規約違反の構造を承知の上で提案しているのか、それとも規約を確認せずに提案しているのかが分かります。
三つ目、加盟後にトラブルが起きた場合、誰がどのように対応するのか。アカウント停止、仕入れ先とのトラブル、在庫切れによるキャンセルといった事態に対して、具体的な対処方法を事前に教えてもらえるのか、それとも「その都度相談してください」という対応なのか。この質問への答えで、サポート体制の中身が分かります。
この3つに明確に答えられる担当者であれば、厨房に人がいると判断できます。答えが曖昧であれば、120万円を出して買うのは看板だけだということになります。
看板を買うのか、厨房を買うのか。確かめてから決めてください
私はドリームポニーのフランチャイズを詐欺だとは言いません。違法だとも言いません。けれども、看板に書かれた言葉と厨房の中身の距離が遠いという判断はします。公式が掲げる月利100万円超の実績と、外部に出ている「何も売れない」「アカウントが停止された」という声の距離が、確かめずに決めるには大きすぎます。
確かめるべきは、教える側が誰なのか、扱う商材は規約の範囲内か、加盟者が増えたときに何が残るのかという3点です。公式サイトにはサポート体制の看板がありますが、サポートを担当する人間の実績は書かれていません。BUYMA以外の商材には規約違反の構造が含まれている報告があります。加盟者が増えれば、同じ仕入れルートを使う競合が増えます。
120万円という金額は、看板を買う金額としては高すぎます。厨房を買う金額としては、中身を確かめてから判断すべき金額です。説明会で3つの質問をして、担当者の答えを聞いてください。答えが具体的であれば、厨房に人がいます。答えが曖昧であれば、看板だけがあります。確かめずに決めた場合、あなたが失うのは120万円と、それを取り戻すために費やす時間です。
こちらの記事もどうぞ
併せて目を通しておくと理解が早い記事を紹介します。
- ブランド物販プラスの口コミから見える加盟者の実態と本部説明の距離
- グリーンフローの評判を見極める3つの判断軸|加盟前の確認ポイント
- ミギウデシステムの口コミから見える、受注と実績の距離
- ドリームポニーシステムの評判を自分の目で確かめるために見るべき3つの物差し
フランチャイズ事業の検証記事
新規事業の実績を会社全体や別ブランドの実績と分けます。